エゲレスとは、こーゆーところてす。
× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 息子の同学年で、面白い奴がいる。 学年で一番背が低く、 学力もあまり高くなく、 先日の雪の日には、「雪だまを手にしていた」だけでDetention(居残り)を食らった。 以前、旧 関東ならこの坊やは皆にバカにされる。 しかし、関西ならこの坊やは人気者になる。 では、息子の学校ではどうか?
彼はとても人気者だ。
息子も拙もジェームスが好きだ。 なぜなら、彼はいつも元気だし、ギリシア人のような端正な顔立ちで、瞳が輝いているし、白人のお母さんは美しいし…
そのお母さんのことも以前述べたことがある。金髪をなびかせるスリムなお嬢さんのような彼女とは学校のイベントでよく出くわしては話を交わすのだ。他のお父さんたちと取り合いになることもある。皆、鼻の下が伸びている。あ、拙も?
彼女はマラソン選手でもあるので、40歳を超えているのに、後姿は10代にも見える。英国2位のマラソン選手マーラ・ヤマウチとは拙の話題で声を掛け合ったこともあるそうな。でも、この辺は?
そんな具合で、ジェームス本人はもちろん、彼の周囲は興味深い。彼のお父さんは別居していて、別の家族を持っている。近所で、その家族にもよく出くわす。ジェームスのお父さんマイクはインド人とブルネイ人との混血。どう見ても、国籍不明のハンサム顔だが、マイクの母上はどう見ても中国人。
で、金持ち! 中国人、インド人、ユダヤ人など民族や宗教の共同体で協力し合う彼らの組織力は相当なもので、「企業連合」という本来の意味以上に機能するシンジケートや地下組織も持つ。しかし、ジェームズの父親の時代と立場では白人社会はおろか、どこにも属せないわけだ。こんなところに日本人が海外で成功しにくい端緒を垣間見てしまう拙の洞察力はさておき、要は経済力や能力とのつながりである。 この国に来てから、母上ともども相当辛い目にあったんだろうなあ、と思われる。裸一貫、信頼できるのは金だけだ、という考え方になるのも必至だろう。外国人の拙も同じ目に合っていると思うが、彼らほど金儲けに熱心になれない。それはたぶん彼らほど追い詰められたものではなかったのかもしれない。いや、わかんないよ。でも、たぶん間違ってないだろうな。 ジェームズも父親マイクのように、 ちょっとモテモテで、 配慮の細かいビッグビジネスを展開する人物になりそうな気がする。マイクの経営する企業は複数あって、中でも食品部門は英国でも有数のレストランチェーンだそうだ。
マイクは言う。
「息子には私が得られた以上のチャンスを増やすために、この学校に入れた。だから、寄付金も厭わなかった」
でもね、これって不正入学ではないんです。パブリックスクールは個人経営なので、合格基準はどこにあっても良いのです。学校も企業ですから、経営が優先されるわけです。お金のある父兄からガッポリ頂いて、拙宅のような貧乏人の子ども達に奨学金を支給して、学校の評判を上げれば、学校にも都合が良いわけです。もちろん、道義的なこともあるので、どんなに寄付金を積まれても入学を断るケースもあるようですけどね。もちろん、ジェームズには誰にもない魅力とポテンシャルを感じます。学校はそういうことを理由に受け容れても良い筈です。最近の春の甲子園みたいに。 ヒトの本当の実力って、学校にあるモノサシだけじゃ判んないのは、英国も日本も同じだすな。だって、世間知らぬまま先生になりゃ、アカデミックなモノサシしか持っていないヒトも少なくないもんね。 そんなわけで、息子にはジェームスと仲良くしておくようにと言い含めています。マイクとジェームズも息子のような参謀を持ちたいだろうし。でも、参謀でいいのか? PR
来るべき時に備えて、家にある本棚5箇所を整理した。 近くの補習校で行われる古本市に出品し、あるいは古本屋に売りに出し、 身軽になろうという魂胆である。 仕事柄、資料本が山のようにある。 本棚はすべて2段積みで、しかも隙間なく横積みもされている。 3年前、書斎を2階にすると底が抜けるだろうからと、 3つある居間のうちのひとつを書斎にした。 それでも本は家中に散らばった。 今は分けあって、散らばった本を回収し、家の外に出さなければならない。 モノ書きにとって書とは投資であり、生産であり、製品である。 それでも、できるだけ身軽にしなければならないいくつかの理由がある。 今回、特に気がついたことは、インターネットである。 例えば、「朝日キーワード」という毎年出版される書物。 過去のデータや認識が「書くもの」には重要だったりするので、 1980年からいつまでも保存していたのだが、 過去のものに今ではどんな価値が与えられるだろうか? インターネットには市場が必要とする情報の60%は存在する。 そのうち、インターネット芳信者、狂信者が出てきたりして・・。 今日捨てたものを少しだけ上げよう。 立花隆の本20冊、司馬遼太郎数え切れず、手塚漫画50冊くらい、社会学関係書30冊?、ケルト民族関係、哲学書・・・ こんなに捨てると、「自殺するんですか」と聞かれそうだが、 「いえ、生きるためです」 と言うしかないな。 でも、拙にしか解読できない「これら資料群」ってのは捨ててないんだもんね。 拙の書いた本は捨てないでね。
雨で息子のサッカーが延期。 何もやることがない、と息子は妻と二人で ファミリー・ヒストリーを検索し始めた。 http://www.nationalarchives.gov.uk/ ここは拙も仕事でよく使うロンドンの公文書館のウェブ。 英国のセンサス(国勢調査)は1811年から開始され、殆どの文書がデジタル保存されている。 国勢調査の内容では、戸籍以上に詳しい当時の状況が判る。 英国には戸籍というものがないから、 判り難いと思われるかもしれないが、 日本のように死亡後に除籍になったりすると、 なかなか祖先に遡れないものだ。 費用も掛かるし、事実が戸籍の中に隠蔽されていたり・・・。 息子と妻は、妻の両親の祖先を探した。 3時間ほど探して遡れたのは、3代前まで。 どういう環境で暮らして、どういう経緯で結婚に至ったとか、 職業は何であったか、 死因は何であったとか、 いろんなことがわかるのはエキサイティングだが、 嫌な事実が出てこなけりゃいいなあ、と少々案じていた。 歴史調査という仕事柄、そういう嫌なことに出くわすことは少なくない。 遺族も知らなかったりするので、インタビューの時は触れなかったりするほどだ。 しかし、幸いなことに気分の悪くなるような事実は出て来なかった。 皆、敬虔なメソジスト教徒だったようだ。 絵に描いたようにマジメで、堅実な生活を営む遺伝子が継承されて、 現在の妻や我が子らに辿り着いたわけである。 一方、拙宅は、と言うと、あまりよく知らない。 まあ、知っていても、ここで述べたりすることじゃないけどね。 面白いと思ったのは、拙のひい爺さんが町長で、 明治時代なのに、汚職で捕まったことがあるということだった。 票田の買取を部下が大っぴらにやったとか・・・、 パイオニア的な遺伝要因があるのだろうか。 拙もある分野でパイオニアと言われることがあるが・・・、 いや、遺伝学を間違って引用してはイカン。
子どもたちは本日からハーフタームという1週間の休みに入ります。 昨日はその前日であるだけに、 学校に行ってみると、いろいろな様子が伺えました。 まず、子ども達の通う学校は、1/4の生徒のために寄宿制度がありますので、 遠隔地に住む親元に向かうために寮母に付き添われて、 学校のロータリーでタクシーに乗り込む子どもたちの姿をたくさん見ました。 彼らはこれから、ロンドン・ガトウィック空港やロンドン・ヒースロー空港に向かうのです。 彼らの親は軍人、聖職者、外交官などの外務官や民間の海外在住者です。 拙宅の子ども達も来年の今頃にはこの景色の一部になるのだなあ、と感慨深く眺めておりました。 下校時刻になると、すぐに息子の姿が見えました。 そのすぐ隣には、以前ご紹介したミュージカル「アニー」の主役、ディジーです。 二人とも、赤い薔薇を持って楽しそうではありませんか。 「おお、ついに・・・」 車の中で拙は叫んでしまいました。 息子がトランクに荷物を押し込むと、ディジーが駆け寄って来て、なにやら楽しそうに話しています。 「そうか、そうか。あの家族と親戚になるかもしれないのだな」 とかなり飛躍した妄想を抑えつつ、 車に乗り込む息子に話しかけました。 「なんだ。1本だけかよ」 「うん。でも、クラスで貰ったのはディジーと僕だけ」 「ディジーは誰に貰ったんだ?」 「知らない」 「え?じゃ、お前は誰に貰ったんだ?」 「知らない」 そ、そうなんです。 どういう習慣が起源かは知らないのですが、 英国では組織の中に居る時は、 こうして知らないヒトから愛を告白されるのであります。 でもね、息子は誰がくれたか知っていると思います。 本当にディジーである可能性もありますが、 小ズルイ息子はなかなか本当のことを言いません。 帰宅してから、 こうして一輪挿しにするんですから・・・。 フラワーアレンジメントの先生、妙子・マーヴェリーさんの話では、 「嫌なヒトから貰っても花に罪はないし、花には怒りをぶつけられないから、とりあえず活けておくものよ」 とは言うものの、 嫌なヒトから貰ったら、持ち帰らないで捨てちゃいますよね。 それとも、花だと出来ませんかね? すいません。 大量のチョコは苦手なので、渋谷や飯田橋の浮浪者にあげちゃったことがあります。 捨ててこそいませんが、ヒトに好かれる喜びを分かち合いました。・・かな?アハハ・・。 バレンタイン司教の話とか、メリーズチョコの話とか、 そんなものを聞き飽きた方々のためのお話でした。 バレンタイン・デーはハーフターム中はだもんね。 因みにこの時期、赤薔薇1本が5ポンド(約1250円)でありんす。 金持ちの子どもたちとは言え、けっこうなお値段です。
10cm弱ってところでしょうか。 やや深い雪であります。 列車も平常運行されているようなので、 左)午後帰宅してから、雪だるま作りに励む息子。画像は鼻を拾っているところ。 右は学校が休みになって、暇を持て余し、午前中に拙宅の前で雪だるまを作り始めた近所の問題児たち。この後、さらに5名ほど集まって来ました。この雪のタワーはその後さらに高くされ、後ほど警察の手によって壊されました。アホや。 家人はそれぞれ8時までに出掛けて行きました。 ほんの4,5年前まで、英国の列車は寒くなるとポイント故障が起きて、 遅延は当たり前でした。 日本なら、カンテラでポイントを温める雪国の光景を目にしたことがありますが、 この怠け者の国では、プロフェッショナルで、職人気質の鉄道マンなど居る筈もありません。 はっきり言って、頭でっかちの素人集団です。(言い過ぎ) しかし、そんな彼らも日本や欧州大陸の鉄道運行を横目に彼らなりの工夫はしているようです。 実際に、昨今のポイント故障は減少しています。 でも、ポイントが凍りつかないための技術的な説明をしているニュースを見たときは、 そのコストの掛け方に呆れました。 ポイントごとに温度センサーを置いて、 ヘリコプターで上空から凍結具合を察知するという内容でした。 そのセンサーの技術はもちろん日本の企業キーエンスであります。 凍結が進んだ箇所は、ポイントをガシャガシャと動かすようにトランシーバーで連絡するのだそうです。 英国のポイント操作は近年になってようやく、自動化が進みました。 でも、労働法がポイント操作職員を保護しているので、いまだに手動のところもあるそうです。 もちろん、オペレーションセンターの距離が異なるというだけで、 何もポイントまで歩いて行って、「よいしょ」と切り替えるわけではありません。 そうそう、英国の新聞印刷もまだ昔のままです。 80年代初頭に改良された日本の新聞のように、 あまり手の汚れないインクや印刷技術を使っている新聞社は数えるほどしかありません。 これも労働問題に関連しています。 印刷会社のオジサンたちがストライキを起こすんですが、労規はそれを認めているんですね。 機械化しちゃえば、それで終わりなのに、この国はいつまでも古いシステムを尊重します。 ま、そのうち印刷屋の就労者は居なくなるでしょうから、労規も形骸化していくのでしょう。 雪の日と言えば思い出します。 父を失って家計を助けようとしていた小学生の拙は、 100軒分の新聞を抱えて近所を走り回り、 指先をインクで真っ黒にしていました。 今でも、あのインクのニオイはあの配達の辛さを思い出させてくれます。 母親は「新聞配達をやめろ」と言っていましたが、 考えてみれば、あまり必要性はなかったように思われます。 |
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